おすすめ

ニュースの真相

リニア騒動の真相2 「140億円トンネル」ー南アルプス観光の象徴

よくやった!田辺市長  日経ビジネス8月20日号大特集「リニア新幹線 夢か悪夢か」は川勝平太静岡県知事の発言をクローズアップ(「リニアの真相1」で紹介)、その対比で静岡市を“悪者”扱いしている。  「JR東海は、リニアの完成が遅れれば、収入のないまま巨額の投資を続けることになる。その焦りから、カネで解決しようとする。大井川の水量問題で静岡県だけが工事に入れない。そこでJR東海は静岡市と工事連携の合意を取り付けた。だが、その見返りに、地元住民が要望していた3・7キロのトンネルをJR東海が全額負担して建設する。その額は、140億円にも上る。しかし、県知事や市民団体から猛烈な批判を浴びると、市長は大井川の問題についての発言だけ撤回。結局、JR東海は巨額のカネを突っ込みながらも、着工のめどが立たない」。  記事中にある「そこで」とか「だが、」、「しかし、」という接続詞に注意してほしい。正しくない接続詞の使い方によって、記事が悪意に満ち、内容も正確性に欠ける。  静岡市が「140億円」の札束で、JR東海に屈したような印象を持たせる記事に仕立て上げた。そんなことは決してない。「140億円」のトンネル工事は、政治家、田辺信宏静岡市長のお手柄であり、面目躍如と言っておかしくない。  「よくやった!田辺市長」の声が、各方面から聞こえてくる。 ポイントは静岡市の道路使用「許可権限」  JR東海は静岡県と大井川の水量環境問題で合意形成を目指している。その話し合いが物別れに終わったとしても、水環境問題を理由にJR東海は「着工のめどが立たない」わけではなく、リニアトンネル建設の着工を強行できる。合意形成は単に道義的な責任問題であり、法律要件ではないからだ。川勝知事は怒り心頭だろうが、着工をストップさせる権限は静岡県及び大井川沿線の自治体にはない。  「大井川の水量問題で静岡県だけが工事に入れない。そこでJR東海は静岡市と工事連携の合意を取り付けた」わけではない。  静岡市は、リニアトンネル建設の工事車両を南アルプスエコパーク内(東俣林道)で通行させる許可権限を持っている。そのための合意である。水の問題とは全く違うのだ。記事は、あたかも田辺市長が「抜け駆け」して大井川の水環境問題で合意したかのような印象を与えている。  そもそも、静岡市は大井川広域水道の受水自治体(島田、焼津、掛川、藤枝、御前崎、菊川、牧之原の7市)に入っていない。   JR東海が南アルプス地域でリニアトンネル工事に着工するためには何としても静岡市の道路使用許可が必要だった。日経ビジネスはその事実を全く書いていない。静岡市は、JR東海と水面下の交渉を続け、道路使用許可などの行政手続きを速やかに進める代わりに、山間地域・井川住民の求めていた、約4キロのトンネルを整備させることに成功した。工事を進捗させるための“補償”に見えるが、JR東海は「140億円」のトンネルをリニアトンネル建設車両通過のためとしている。  どちらであっても、静岡市民としては万々歳である。 トンネル建設で20分の時間短縮  知事はじめ大井川流域の首長はJR東海、静岡市の「基本合意」締結を批判したが、静岡市は地域住民の生活を守る役割を果たしただけである。  記者会見の中で、田辺市長が「(大井川の水環境問題で)現実的に対応可能な最大限の提案をしている」とJR東海の対応を高く評価してしまった。お互いに納得した上で基本合意にこぎつけたのだから、相手の取り組みを手放しで評価するのもうなずけるが、そこは大人の対応が必要だったかもしれない。  すぐに川勝知事は「水環境問題の本質を全く理解していない」と発言の撤回を要求、4日後に田辺市長は「問題が決着したかのような誤解を受ける発言だった」と知事の要求を受け入れた。この撤回に対して、川勝知事は「(田辺は)市民、県民の信頼を失い、県職員の信用を失った」と批判、撤回を厳しく要求しておいて、これも大人の対応ではない。  リニアトンネル建設予定地の南アルプス国立公園地域は静岡市域内である。  静岡市は貴重な自然財産・南アルプスを活用したかったが、アクセスに大きな問題を抱えていた。  約4キロのトンネル建設で、20分間の時間短縮を図ることができる。「140億円」のトンネル建設は、新東名静岡インターからのさらなるアクセス整備のきっかけにつながるはずだ。  日経ビジネス記事で、川勝知事は「おとなしい静岡の人たち」と表現した。田辺市長もその静岡人だから、川勝知事の厳しい批判に耐えて黙っていたのだろう。今回のJR東海との交渉では、静岡市長として田辺は政治的な役割を十分果たした。ふだんは頼りないように見えるが、評価すべきところはちゃんと評価したほうがいい。  大井川の水環境問題は、京都府出身で生粋の静岡人ではない、つまり、「おとなしくない」川勝知事が何とかしてくれるだろう。 知事の「井川地区ほったらかし」批判  2017年川勝知事は「静岡型県都構想」を提唱、静岡市を廃止して、「県都」として「特別区」設置を訴え、「特別区を設置して、身近な行政は身近な行政体がやるべき」と静岡市に挑戦状を投げつけた。「県庁所在地の静岡市に2人の船頭は不要」と発言をした。さらに浜松市に比べ、静岡市は自立心に欠け、二重行政で県におんぶに抱っこだとも批判した。田辺市長を「クン」呼ばわりするなど、早稲田大学後輩の田辺市長を何度も貶めた。  2017年5月県知事選の最中、川勝知事は次のように批判した。  「静岡市は人口70万人を切った。葵区は広く、南アルプスの裾野の井川地区はほったらかしだ」  そんな批判に、田辺市長はじっと耐えたのだろう。それが今回の基本合意につながり、井川住民の信頼を勝ち取った。それなのに、関係自治体の首長らは「抜け駆け」と批判、「寝耳に水」の川勝知事も怒り心頭だった。今回、JR東海との交渉を最後の最後まで川勝知事へ知らせなかったことが一番の怒りを買った要因だろう。ただ、もし、知らせていたら、基本合意はできなかったかもしれない。  「おとなしい」静岡人でもそのくらいの意地があったのだ。お互いに刺激しあうことで人口減少に悩む静岡市に南アルプス開発の夢を与えられる。基本合意だから、今後、具体的な協議に入らなければならない。南アルプスエコパーク内の工事に入る前までに、ちゃんと140億円トンネルをまとめてほしい。  JR東海との合意を生かして、“オクシズ”と呼ぶ山間地域へのさらなる支援につながっていくよう大きな期待が膨らむ。  ※日経ビジネス・大特集「リニア新幹線 夢か、悪夢か」(2018年8月20日号)                               パート1「速ければいいのか 陸のコンコルド」、パート2「安倍『お友だち融資』3兆円 第3の森加計問題」、インタビュー「どうにもとまらない 葛西名誉会長インタビュー」、パート3「国鉄は2度死ぬ」 各パートの題名の通り、リニア新幹線に対して多くの疑問、疑惑、反対運動などを紹介している。  著者の一人、金田信一郎氏は2016年6月「巨大組織が崩れるとき 失敗の研究」(日本経済新聞出版社)を発表。日経ビジネス記事には「JR東海は『平成』の終焉の象徴になるかもしれない。平成を跋扈したのは、民間の皮をかぶった政官財複合企業だった。(略)その経営が杜撰かつ無責任な状態に陥っていく。リニアはそんな『平成』が生み出した怪物」と「失敗の予感」さえ伝える。  1979年リニア建設を望んだ沿線9都府県(静岡県は入っていない)が期成同盟会を設立、92年に沿線学者会議も設立され推進に向けて地域一体となって積極的に取り組んできた。日経ビジネス記事の中には「東海道新幹線だって、最初は『世界の3バカ』と言われた」と紹介。静岡県は1964年の「世界の3バカ」東海道新幹線開通でさまざまな恩恵を受け、発展した。  2027年東京―名古屋、2037年頃東京―大阪が開通予定。交通大革命と呼ばれるリニア新時代が始まる。  日経ビジネス記事は「リニア新幹線が必要」と訴えてきた中央沿線の人々に冷や水を投げ掛けたことは確かだ。 ※掲載の新聞記事は静岡新聞2018年6月20日夕刊です。  

ニュースの真相

リニア騒動の真相1 ”塗炭の苦しみ”-嘘か真実か

JR東海の説明を受け入れない静岡県  日経ビジネス2018年8月20日号特集「リニア新幹線 夢か悪夢か」。川勝平太知事の真剣な表情をとらえた写真とともに「静岡県の6人に1人が塗炭の苦しみを味わうことになる」という発言が載った。リニア中央新幹線南アルプストンネル建設は「県民の生死に関わる」影響をもたらし、「ルートを変えることを考えたほうがいい」と提案。いまさら「ルート変更」ができないことを承知しての“脅し”に聞こえた。  なぜ、知事はそんな“脅し”めいた発言をしたのか?  南アルプストンネル建設予定地は、大井川の中下流域から百キロ以上も上流部に位置する。約百キロの間には、二軒小屋発電所から始まって20の発電所、畑薙第一、井川や長島など14のダムがひしめく。その中でも、2002年に完成した多目的用途の長島ダムは、知事が「塗炭の苦しみを味わう」と表現した約60万人へ水道用水を供給する。  「リニアのルートを変えろ」と求める静岡県に対して、長島ダムは“水がめ”の役割を果たせなくなると大騒ぎしていない。どう考えても知事の“脅し”には無理がある。  JR東海との綱引きを行う真相はどこにあるのか? JR東海はすべての資料を明らかにせよ  JR東海はトンネル建設に伴う大井川の減少流量を毎秒約2トンと推定、西側に導水路トンネルをつくり1・3トンを大井川本流に戻し、山梨県側に流れていく残りの0・7トンを「必要に応じて」ポンプアップで戻す対策を提案した。つまり、毎秒2トンの減少流量がなければ、ポンプアップの必要性がないというのがJR東海の説明。  これに対して、静岡県は、JR東海が毎秒2トンの減少流量を試算した根拠を公表していないことに不信感を抱き、大井川の減少流量2トン分だけでなく、山梨県側に流れるだろう地下湧水すべてを常時ポンプアップして戻せ、と訴える。  JR東海は工事着手後及び工事完了後にもモニタリングをした上で、何か不都合があれば改善していくと説明する。一方、静岡県水利用課は「本当かどうか分からない数字に基づいており、その対策が有効かどうかさえ疑わしい。JR東海側がすべての資料を明らかにした上で検討しなければ、いつまでも疑問は解決されない」と一歩も引かない。  JR東海が主張する通り、実際にやってみなければ分からないことも事実だ。 河川の正常な機能「維持流量」守る  そもそも、知事の発言に大きな疑問を抱くのは、百キロ以上も離れた中下流域のことであり、本当に中下流域に甚大な影響を及ぼすものだろうか?  大井川水系用水現況図を広げてみて、すぐに気づくことがある。  リニア新幹線南アルプストンネルからいちばん近いのは、二軒小屋発電所(中部電力)である。  同発電所は毎秒11トンの最大使用量を許可されている。来年3月末に水利権の更新を迎える。水利権で最も重要なのは、「維持流量」である。  維持流量とは、河川における流水の正常な機能を維持するために必要な流量とされ、当然、中下流域の水利用の影響を踏まえて決められる。発電できるのは、維持流量以上の流水がある場合に限られる。JR東海が計画する導水路は、二軒小屋発電所の下流にある椹島とつなぐのだから、大井川の流量減少の影響をもろに受けるのは、二軒小屋発電所となる。毎秒2トン減少したとしても、中電は維持流量を守らなければならない。  大きな影響を受ける中部電力が大騒ぎして、JR東海とこの問題で交渉している話は表面化していない。中部電力に問い合わせたところ、「その件はノーコメント」という回答。多分、名古屋に本社がある民間同士だから水面下での交渉を続けているのだろう。  発電量が減るようなことになれば、何らかの“補償”になるのかもしれないが、二軒小屋発電所は利水に対する義務は果たし、大井川の維持流量を守るだろう。 南アルプスから豊富な水を供給  大井川の本流は間ノ岳(3189メートル)を源流に駿河湾まで約168キロの長さ、流域面積1280キロ平方㍍の大河川だ。その間には日本第2位の高さ、白根北岳(3192メートル)、荒川岳、赤石岳、聖岳など3千メートル級の南アルプス13座の山々が連なり、北アルプスに比べて降水量も多く、リニア建設地から下流域の数多くの支流から本流に流れ込み、長島ダムなどに水を供給している。  山梨県側へ流れるという地下湧水が大井川本流部にどのくらい影響するのか、それはあまりに難しい話だ。また、山梨県側に流れ込む地下湧水は、いずれ富士川水系に入り、静岡県へ供給される。もし、西側へ地下湧水が流れ込んだとしても、いずれ天竜川水系に入り、これも静岡県を潤すのだ。  JR東海は少なくとも大井川の減少流量毎秒約2トンの対策を立て、国に環境影響評価書を提出、認可を受けた。環境影響評価書が科学的正確性を欠くのは、約4百メートル地下に建設されるリニアトンネルは工事以前には不明なことが多いというのが本当のところだろう。 国の長島ダムは“水がめ”の役割  1億トン以上の貯水量を誇る井川ダムを経て、国交省は大井川で初めての洪水調節、流水の正常な機能の維持を図り、水道、工業用水利用などを行う長島ダム(有効貯水量6800万トン)を建設した。もし、水量減少で“水がめ”の役割を果たせなくなる恐れがあるとしたら、長島ダムは真っ先に大騒ぎしなければならない。上水道への目的で利水関係7市に最大毎秒5・8トンを供給しているからだ。  国交省は「河川への影響が出ない対策をJR東海が採るべきだ」と話すが、今回の流量減少毎秒約2トンの対策については一応評価している。  「静岡県とJR東海の合意形成を図ってほしい」と話し、それが地下湧水の減少を常時ポンプアップすべきとまで話していない。これは、ポンプアップすることでの環境への負荷、その費用対効果の問題や地下湧水の減少が果たして大井川にどのような影響を与えるのかまで図りきれないからではないか。 リニア計画では“蚊帳の外”静岡  川勝知事の“塗炭の苦しみ”という表現には驚いた。  水量が大幅に減少、水道水として利用する下流域にある七市(島田、焼津、掛川、藤枝、御前崎、菊川、牧之原)約62万人が「泥にまみれ、炭火に焼かれる」(塗炭)ような、ひどい苦しみを味わうことになるというが、どうも過剰な表現のような気がする。  大井川だけでなく、天竜川、富士川、狩野川、安倍川の5大河川に恵まれ、富士山という自然の“水がめ”もあり、他県に比べれば、水はうらやましいほど豊かだ。  JR東海の対策について、川勝知事は「(地下湧水)全量を常時戻してもらわなければ、県民の生死に関わる」と握りこぶしを振り上げたが、他県の人たちから見れば、何とも説得性に乏しい。  2011年5月、国は「リニア中央新幹線」整備計画を決定、静岡県の南アルプスを貫通する「直線ルート」が採用された。  1970年代に始まったリニア計画。中央線沿線の東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知の各都県は、静岡を通過しない茅野、伊奈周辺の「迂回ルート」を強く要望した。ところが、蓋を開けてみると、最も採算性の高い東京-名古屋間を40分で結ぶ「直線ルート」を選択した。  40年以上も過ぎ、最後の最後に静岡もリニア計画の地元になった。長年さまざまに取り組んできた、静岡を除く各県は、リニア新駅設置で驚異的な恩恵を得るとして、各県民とももろ手を挙げての大歓迎ムードに包まれた。静岡県はお祭り騒ぎを黙って見ていたにすぎない。  しかし、いまや他人事ではなく、静岡県もリニア新幹線建設の地元県である。 厳しい要求を通す“権限”は?  川勝知事は南アルプスに登って現地を視察、リニア長大トンネルが静岡県に何ら利益をもたらさず、下流域に深刻な影響を与える可能性を知るや、JR東海と真っ向から戦うことを決めた。政治家として真っ当であり、地域のために、開発者に厳しい要求をするのは政治家の使命だ。  何よりも、リニア工事で道路使用の許可権限を持つ静岡市が「140億円の地域振興トンネル」をJR東海から勝ち取ったことに負けん気の強い川勝に火を付けた。  果たして、「山梨県へ流れ込む地下湧水の全量すべて戻せ」という静岡県の主張が通るのかどうか。政治家川勝平太がJR東海に最大限の譲歩を引き出すための切り札があるのか。  強硬な発言とともに、日経ビジネスの特集記事で「立派な会社だから、まさか着工することはないだろう」と弱気な一面を見せた知事。  つまり、利水者との間に法的な縛りはないから、道義的な問題に目をつむってしまえば、JR東海はリニアトンネル建設を強行できる。静岡県はそれをストップさせる権限を持たないと言うことだ。  本当にそれでいいのか?知事は“脅し”発言に見合う県の“許可権限”を隠しているのではないか?戦いはこれからだ。 ※知事の写真は日経ビジネス2018年8月20日号特集誌面からです。

静岡の未来

「がん5年生存率」調査  静岡市立病院の成績は?

初のがん5年生存率発表  9月12日、国立がん研究センター(東京)は全国にある「がん診療連携拠点病院」な ど250カ所の医療機関別「がん5年生存率」を初めて明らかにした。  2008年~20 09年に胃がん、大腸がん、肝臓がん、肺がん、乳がんの5つのがんと診断された患者の ステージ(進行度)に応じた5年生存率を全国の病院ごとに公表した。 それぞれの治療成績がひと目でわかるから、特にがんと診断された人たちは新聞記事に釘付けとなり、藁にすがる思いで“治る病院”を探したと聞いた。  病院にとって、衝撃的な調査結果だった。 手術数による病院ランキング  筆者は医療支援のNPO法人「Q(キュー)ネット」(静岡市)のメンバーととも に雑誌「静岡県の良い病院」を発刊した。地域の医療情報が極端に少なかっただけに多くの人に読んでもらえ、評判は高かったようだ。ただし、2号でストップ。ごめんなさい。 まさに、それが2008年、2009年であり、厚生労働省の資料を基に「手術数によ る病院ランキング」をつくり、それぞれの専門医を取材した。   当時、がんの部位別死亡者数は、静岡県の男性では、肺がん(22・6%)、胃がん(1 6・0%)、肝臓がん(12・4%)、大腸がん(11・1%)、女性は大腸がん(12・7%)、 胃がん(12・4%)、肺がん(12・4%)、乳がん(9・6%)などの順に多く、今回 の5年生存率が大きな意味を持つことがわかる。  肺がんの手術数で言えば、2008年のトップは聖隷三方原185、静岡がんセンター182、浜松医科大学附属130、県立総合122,聖隷浜松100、静岡市立81など の順だった。  2009年では、聖隷三方原、静岡がんセンターとも217、県立総合1 18、静岡市立97などと続いた。2008年の肝臓がんは静岡がんセンター192、県立総合120、2009年も同じ順番だった。 発表しなかった病院とは?  だからこそ、5年生存率はどうなったのか、非常に強い関心を持った。   静岡県のがん診療連携拠点は10病院。2008年には沼津市立が登録されていたが、 現在は沼津市立ではなく、その代わりに磐田市立が入り、同じ数の10病院ががん診療連携拠点だ。 調査書では、全国250病院の中で124番目に静岡がんセンター、131番目に磐田市立が成績を公表している。   何度も探したが、8病院しかない。10病院ないのだ。どこの病院がないのか?  「県立総合」と「静岡市立」が含まれていないことがわかった。だから、2つの病院の成績は分からない。それはなぜだ?  「がん診療連携拠点病院」を担当する静岡県疾病対策課に確認した。国立がん研究セン ターによる調査なので、県は関知していないとのこと。つまり、病院に直接聞いてみなければ 事情は分からない。 セカンドオピニオンの権利  患者の権利として「セカンドオピニオン」がある。  がん患者の場合、 「セカンドオピニオン」を求めるケースが非常に多い。ただし、「セカンドオピニオン」の意味を勘違いして、患者は「セカンドオピニオン」を受けた病院で、 そのまま治療受ける場合が多い。そのためか、 「セカンドオピニオン」を受ける病院も慎重 にならざるを得ないようだ。  静岡市立の医者から、がんと診断された患者は、静岡がんセンターに「セカンドオピニオン」を希望する場合がほとんどと聞いた。ただし、治療の見込みのない患者を静岡がん センターは「セカンドオピニオン」で引き受けない、ともこぼした。治療成績が落ちるのをいやがるそうだ。まあ、そういうこともあるかもしれない。ただし、確認はしていない。 また、いまも同じかどうかもわからない。病院側が治療成績が落ちることを嫌うことは理解できる。 さくらさんも乳がんだった?  今回調査で、静岡がんセンターのコメントには「地域の医療事情からⅣ期で治療開始する患者および高齢者で合併症を有して手術対象とならない患者の比率が高い」とあった。 このコメントでは、静岡市立の医者の話とは全く逆に、高難度のがん患者ばかりを引き 受けている、と言っているようだ。どちらが正しいのか、判断するのはなかなか難しい。静岡がんセンターの胃がん、 大腸がんの5年生存率は好成績である。  漫画「ちびまる子ちゃん」の作者で、旧清水市出身のさくらももこさんは2006年ころ、乳がんと診断されたそうだ。約10年たって、ことし(2018年)8月15日に53歳という若 さで亡くなった。さくらさんは5年生存率をちゃんとクリアしている。死亡原因は明らかにされていないので、乳がんの再発なのか、他の病気かはわからない。5年生存率という考えは、なかなか難しいものかもしれない。  いま、がんと診断された人たちは大きな不安を抱えているだろう。  2019年の正月もちゃんと生きていることを願うだろう。当然、5年生存は未来の話だ。  「静岡の未来」はちょっと暗い話で始まった。しかし、正確な情報を集めることが「未来」にとっていかに重要かを知ってほしいと考えた。正しい情報によって、どのように対応するか決めていくことができる。情報によって、あなたの未来が変わってしまうこともありうる。  …

取材ノート

さくらももこと徳川家康 タバコ好きは?

悲しいニュース   漫画、テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の作者さくらももこさんが8月15日に亡くなったニュースが全国に流れた。   さくらさんの大ファンだったから、亡くなったと知ってから、アニメを借りてきたり、エッセイや対談 なども片端から読んだ。特集付録「ありがとう」(永久保存版)の付いたりぼん11月号も購入した。 まる子のおじいちゃん友蔵が漫画と違い、いばりん坊で、家族の嫌われ者だったこと、友蔵の亡くなったとき、みんなで大笑いした話など昔、読んでいたが、もう一 度読み返しても腹を抱え大笑いできた。チベットやバリ島などの旅行話を満載した雑誌「富士山」5号(新潮社)も大事に取ってある。 健康よりもタバコ?  今回初めて、お茶の水女子大学の哲学教授、土屋賢二先生との対談「ツチケンモモコラーゲン」(集英社) を読んで、さくらさんが健康オタクだったことを知った。   土屋先生が「運動はしない。タバコは吸う、昼夜逆転した生活―これだけ不健康なことをしていて健康を目指しているのはおかしい」と茶化しているが、さくらさんは「タバコが吸えなくなってストレスがたまるぐらいだったら、そのほうが健康に悪い」と返し、 さらに、土屋先生が「健康よりもタバコのほうが大切ですか?」と突っ込まれると、「ええ。 このタバコを吸うために健康を研究している」と答えている。 さくらさんがいかにタバコ好きだったかがわかる。  わたしがタバコを嫌いなのは、健康のためではなく、おいしい食べ物が味わえなくなると信じていたからだ。わたしの父親は84歳で亡くなるまでタバコを吸っていた。子供のとき、父親からの タバコの煙を吸って「こんなまずいものを体に入れたら、味が分からなくなってしまう。だから、おやじはあまり食べ物に手をつけないんだ」と頭から思い込み、タバコには手を 出さない決意した。それがきょうまで続いている。 駿府で世界初の喫煙禁止令    静岡旅行記者協会発行の雑誌「静岡人」第2号「久能山東照宮」特集号をつくったとき、徳川家康が慶長14 年(1609年)駿府で世界初の禁煙禁止令を出したことを取り上げた。   江戸時代初め、スペインの宣教師がタバコとその種を日本に持ち帰って、あっという間 に日本中にタバコが広まった。寝タバコによる火事が多く、多分、家康はタバコ嫌いで喫煙禁止令を発布した が、あまり効果がないと知ると、タバコの耕作売買禁止令まで出した。罪を犯した者は家財 没収という厳しい罰を課した。ところが、江戸時代もさくらさん同様にタバコ好きが多すぎて、いくら禁止令でストップを掛けても、タバコ喫煙者は増え続け、家康が亡くなると同時にこの禁止令も忘れられてしまった。   だから、江戸時代のキリシタン弾圧の背後には、家康の徹底的なタバコ嫌いを尊重し、タバコを日本に持ち込んだ宣教師たちを罰したに違い ないとわたしは信じている。 実効性の薄い喫煙禁止令   静岡市は駅前、呉服町通り、七間町、地下道などを路上喫煙禁止地区にしている。 違反すると2千円の過料という罰則もあるが、ほとんど守られていないようだ。ときどき青い帽 子をかぶった監視員2人組が歩いているが、ほとんどの人は喫煙禁止の監視員とは知らない。監視員の存在は全く効果はないようだ。道路の貼ってあるワッペンも「喫煙禁止」を知らない人のほうが多い。   それに比べて、路上駐車禁止の監視員は駐車禁止切符を窓に貼っていて、ちゃんとわかる。こちらは罰金1万円で、強制力は抜群である。  さくらさんはファンの前に出ることを嫌った。作家と作品は違い、作品のイメージを壊し たくない気持ちが強かったから、という。 さくらさんが静岡市の繁華街でタバコを吸っていて、監視員に叱られていても平気の顔 だっただろうか。きっと、エッセイに書いて、 「もし、本当にタバコを禁止したいなら、過料2千円ではなく、20万円くらいの罰金にしろ」と言ったかもしれない。 それでも、さくらさんはきっちりと20万円支払って、タバコをやめなかったに違いない-。  とにかく、静岡市の路上喫煙禁止地区は、江戸時代の駿府で発布された家康の禁煙令同様にあまり効果はないことは確かだ。  「静岡の未来」、「取材ノート」とも過去に出版した雑誌を写真に出して、わたしたちが いままで何をやってきたのか、さりげなく紹介させてもらった。   これから、しずおかのニュースサイトとして、新たな問題にチャレンジしていきます。それでは、よろしくお願いします!

現場へ行く

震度6強で倒壊 静岡街中の「危ないビル」とは?

いつ起きてもおかしくない東海地震  ことしは大地震や台風の当たり年だ。静岡県は昔から「東海地震」がいつ起きてもおか しくない、と言われてきた。東海地震説から40年以上もたっているから、本当にいつ起 きても不思議ではないかもしれない。  そんな不気味な雰囲気の中で、静岡市は「要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果」 による「倒壊する危険性の高い(Ⅰ)」建物を発表した。言うなれば、「危ないビル」とい うわけだ。静岡の街中にあるリスクの高いビルとは? 震度6強程度の地震が起きたとき、倒れてしまう恐れのあるのは「静活ボウリングビル」 (静岡市葵区七間町4-3)だと発表した。 来年から解体工事がスタート  久しぶりに静活ボウルにちょっと、見にいってみた。七間町通りの入り口は自転車がびっしり。3階 に名前の由来となっているボウリングセンターがあった。高校生グループ、家族連れなど でにぎわい、ボウリングを楽しんでいた。2階のゲームセンターにも子供たちや親子づれ が目立った。1階の表通りにはゲームセンターで子どもたちがバーチャル運転を楽しむ、 奥に入ると、1玉1円のパチンコとこちらは高齢者から若い人まで大勢が真剣な表情で楽 しんでいた。  この耐震診断は、1981年以前の旧耐震基準に適合しない3階建て以上の施設が対象。 「静活ボウリングビル」は1970年に建設されたから、2年後に創業50年を迎える。  静岡市の発表では、 2019年8月頃、解体して建て替え工事に入る予定と言うことだが、さて、次はどんな施設になるのか?ただし、それまでは十分注意してほしい!

お金の学校

最も高い金利の定期預金は? “宝くじ預金”がお薦め!

1年間の利息はたった10円  銀行預金の低金利がいかにひどいものになっているか、ちょっとおさらいしてみよう。   三菱UFJ、ゆうちょなどほぼすべての普通預金は金利0・001%。100万円を 1 年間預けて、もらえる利息は税引き後10円にもならない。定期預金でも金利0・01%、 1年間で100円弱の利息である。昔と違い、銀行に何年、何十年お金を預けたとしても、 利息はほとんど期待できない時代だということをまず、頭に入れておこう。  ネットで定期預金金利ランキングを調べると、現在(10月10日)は、あおぞら銀行の 年金利0・2%がトップである。税引き後0・16%弱で、100万円を1年間預けて約1600円の利息が最高だ。 個人ローンを借りた場合、金利10%前後。1年間借りれば、約10万円も金利を支払 わなければならないこと考えると、預金金利の低さにため息が出てくるだろう。 スルガ銀行のジャンボ宝くじ付き定期預金  いま現在であれば、わたしがお奨めする定期預金(ネットバンク)は、1999年にス タートした「スルガ銀行の“宝くじ預金”」(正式にはジャンボ宝くじ付き定期預金)である。  3百万円を預けると、年3回、ドリームジャンボ宝くじ10枚、サマージャンボ宝くじ 10枚、年末ジャンボ宝くじ10枚の合計30枚を各家庭に届けてくれる。 億万長者が何十人も出ていることで知られ、歳末の風物詩のように長い行列ができる東京の「西銀座チャンスセンター」を通して購入しているとのこと。 当然、通常の金利(現在は0・01%)も付いている。  宝くじ10枚で3千円するから、年間9千円分の宝くじを配達してくれる。いまの金利 を考えると超お得である。3百万円で9千円だから0・3%の金利に匹敵する。  現物支給だからランキングに登場していないが、その宝くじを日本郵便が各戸に配達し てくれるから、費用はもっと掛かっている。長蛇の列に並ばなくても、3億円や1億円の チャンスはあるから高齢者には向いている。1億円に外れても、必ず当たる7等は3百円 だから、年間9百円にはなる。  わたしも寒い中、長時間、列に並ぶのが大嫌いで、2001年から“宝くじ当選”を夢 見て、スルガに預けている。年末ジャンボ宝くじがいちばんの楽しみである。 いまのところ、わたしの最高の当たり額は3千円。スルガによると、これまでに億万長 者当選者は11人とのこと。 宝くじで1億円当たった人の「末路」  2017年にベストセラーになった「宝くじで1億円当たった人の末路」( 鈴木信行著、 日経BP社)は非常におもしろい本だった。  1億円当たる確率は約1千万分の1だから、 一生買い続けても当たる確率は非常に低く、もし、当たったとしても、その本が教えてく れたように「末路」は何とも暗いらしい。 まあ、当たることを期待して、どきどきしながら宝くじを確かめる瞬間がいちばん楽し い(3千円当たっていても本当にうれしい)。  ただ、もし万が一、高額の当選者になった場合に備えて、「宝くじで1億円当たった人の末路」は読んでおいたほうがいい。 宝くじ当選だけでなく、「怠惰な人の末路」や「体の硬い人の末路」など健康のことや英 語留学などいろいろな人の「末路」を提供してくれている。 スルガ銀行の「末路」は?  ところで、ことしは不正が明らかになり、創業者が経営から外れるなど大きな話題になったスルガ銀行の「末路」があるのかどうか。  心配ならば、当然「預金保険の対象」になっているから、1千万円を限度として“宝く じ預金”に預ければ、ペイオフ(1千万円まで保護)対象になる。 銀行からお金を借りる場合、また、逆に、銀行にお金を貸す場合(一般には「預金」と 呼んでいるが、実際は銀行にお金を貸して、その利息をもらっている)の違いも頭に入れ ておこう。  今回の問題(シェアハウス起業者への融資)になったのは、スルガにお金を借りた場合のことである。スルガは個人に特化している銀行だけに、貸し借りの場合を踏まえ、ちゃんと見てみれば、わたしたちがスルガにお金を貸した場合、“宝くじ預金”のよう に、とても有利な条件を用意してくれている。 立派な銀行も”ジャンク商品”販売  私見だが、1999年から“宝くじ預金”をやっているので、経験値が高く、現在のマイナス金利の状況では、儲けが少なくてもいまさらやめるわけにいかないのだろう。また、スルガのような“宝くじ預金” を他行が始めるのも至難の技かもしれない。 一方、ほぼすべての銀行が個人カードローンなどで10%前後の金利を取っている。  みな慈善事業ではなく、借りるとき、銀行は“鬼のような金貸し”なると考えたほうがいい。…