青葉通り「右折禁止」ー分かりにくい標識  

「右折禁止」ではなく「指定方向外進行禁止」標識

「右折禁止」の「指定方向外進行禁止」標識

 静岡市七間町、青葉交番前の交差点では時々、交通取り締まりを行っている。青葉通りから昭和通りにぶつかる信号のある交差点は右折禁止だから注意しなければならない。非常にわかりくにくい道路標識を見落として、「右折」するドライバーは数多い。当然、知らなかったではすまされない。反則金7千円の罰金、2点減点だ。

警察官2人が立っていた横断歩道

 6日(土曜日)午後、その交差点で白い大型4WD車が右折すると、すぐに逆の一方通行の通りへ右折して行ってしまった。わたしはその一部始終を目撃していた。ちょうど目の前の青葉交番前横断歩道に、2人の警察官が立っていた。だから、当然、警察官は大型4WD車を停止させると思ったが、2人は全く反応しなかった。わたしは信号が青になるのを待って、横断歩道を渡ってきた警察官に「なぜ、右折禁止なのに検挙しないのか?」と問い掛けると、2人は「見ていなかった」と答えた。白の4WD車は最初は「右折禁止」を右折、その次に「赤信号」を無視した。少なくとも2つの交通違反に問われていいはずだ。

 2人の警察官も何もなかったように白の4WD車が消えた方向へ歩いていった。青葉交番に入り、駐在する警察官にいまの経緯を話したが、それでどうなるわけでもない。警察官が交通違反を見逃しても罰金になるわけではない。「見ていなかった」で問題ない。

 約30年前、静岡市に赴任した際、この標識(実際には「指定方向外進行禁止」と呼ばれる)を見落として、右折したため交通取り締まりに当たっていた警察官に検挙された。反則金を支払い、反則点数をつけられた苦い記憶を持つ経験者は数多いだろう。

 右折違反が何らかの事故につながったわけではないし、その恐れも少ない。しかし、時々交通取り締まりを行っている。静岡県警交通指導課にその辺の事情を聞いた。

交通違反を摘発しない場合も多い

 当然、横断歩道を渡ろうとしていた2人の警察官は交通取り締まりは任務ではなかった。「何か違反があれば検挙するのが基本だが、別の任務を優先して交通反則切符を所持していない場合もある」と説明した。当日は50万人(主催者発表)の人出でにぎわったしずおか祭りの警戒に当たるのが任務だったのかもしれない。

 善意に考えれば、4WD車運転者は右折禁止の標識に気が付いていなかったのかもしれない。青葉交番前では時々、交通取り締まりを行っている。目の前の警察官2人も目に入っただろう。そんな状況下で平気で交通違反をするドライバーがいるとは思えない。

青葉通り、両替町通り交差点

 そのすぐ近く、青葉通りと両替町通りの信号のある交差点は一方通行のみで、やはり右折禁止だ。こちらの交差点でも、静岡市外の人は標識に気が付かないで、右折してしまい、時々検挙されるケースがある。右折することで何も問題がないと、ほとんどの人は思い込んでいるが、地元の人たちは右折禁止ルールを知っているから、遠回りする。

「軽車両」は「軽自動車」のことか?

「軽車両」は「軽自動車」?

 ところで、「指定方向外進行禁止」の標識の下に「軽車両を除く」の文字標識。いろいろなところで見掛ける文字標識で、わたしは「軽車両」とは「軽自動車」だと思い込んでいた。今回、静岡中央署に聞くと、「軽車両」とは自転車、リヤカーのことで、「軽自動車」は含まれないという。最近市街地でリヤカーを見掛けないから、「軽車両」とは自転車を指す。これも混乱する標識だ。わたし同様に「軽車両」を「軽自動車」だと考えている人のほうが多いかもしれない。

 右折禁止は左折と直進許可の標識ではなく、はっきりと右折禁止を示す標識にすべきだし、「軽車両を除く」ではなく、「自転車を除く」としなければ、時々「軽自動車」ドライバーは右折するかもしれない。

1933年のゴー・ストップ事件

 1933年(昭和8年)6月大阪市の繁華街で「ゴー・ストップ事件」が起きた。陸軍1等兵が赤信号を無視して横断しようとしたのを交通係巡査が注意したが、その声を無視して横断したことで、巡査は一等兵を交番に連行してひと悶着が起きてしまう。一等兵のささいな交通違反事件は警察、陸軍のメンツを掛けた争いになり、軍部は「統帥権」を振り回して警察の取り締まりを批判、天皇陛下の裁断で決着する。軍部はこの事件をきっかけに公務外の「統帥権」を認められた。

 ささいな交通違反事件を発端に軍部全体が「赤信号」を平気で無視し、日中戦争、太平洋戦争へと日本全体を巻き込んでいってしまったのだ。

 当時は青信号をゴー、赤信号をストップと呼んだが、大都会・大阪でも信号が珍しく、通行人全員が信号標識を理解していなかった。「青は進め」「赤は止まれ」が道路交通取締法で正式に決まるのは戦後、1947年になってから。もしかしたら、最初に赤信号を無視した一等兵は「赤信号=ストップ」を理解していなかったかもしれない。

 交通標識1つを知らないことで国全体を巻き込んだ大問題になる恐れがある。標識は分かりやすく理解できるようにしなければ、大事故につながる。交通取り締まり、交通違反摘発も必要だが、今後外国人旅行客などの増加を見込み、本当に「わかりやすい標識」をまずは優先すべきではないか。

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