「コロナ」に負けない「お茶パワー」を!

息子2人を感染症で失った家康

 1607年3月11日徳川家康は駿府城築城を指揮するために、江戸から駿府に戻る。江戸滞在中の2月18日家康は4男で清洲城主忠吉と面会した。忠吉の顔は鼻、くちびるが崩れ、顔面が特にひどい症状で紫の布で顔を覆い、病状もあって、今生の別れは短時間で終えた。その後、忠吉は清洲に戻ろうとしたが、3月になり江戸で亡くなってしまう。享年29歳。その1カ月後、4月には家康の2男、越前城主結城秀康が忠吉と同じ病気で亡くなる。享年34歳。8月には家康側近、紀州和歌山城主浅野幸長も同じく亡くなった。享年37歳。いずれも関ヶ原の戦場で生き永らえたのにあっけなく生命を落としてしまった。

久能山東照宮の所蔵品を基に家康像を明らかにした著作

 家康は2人の子供のために当代随一の医者を派遣したが、その病気を治療することはできなかった。病名は、性的接触により感染する「梅毒」。1910年ドイツのコッホ研究所でエールリヒと秦佐八郎が特効薬サルバルサンを発見するまで、世界中で流行、数百万人の生命を奪った。その3百年前、家康は梅毒に効果的な薬はないのか、一生懸命に調べている。久能山東照宮には、家康が赤線を入れた「朝鮮版和剤局法」(国重要文化財)難病の部に梅毒治療薬として生薬「山帰来」が登場する。当時の梅毒は死に至るまでの期間が短く、感染しやすく、死亡率も高い病気だった。

東京国立博物館に展示されたリーフデ号のエラスムス木像

 家康の側近となった英国人ウイリアム・アダムス(三浦按針)の乗船してきたオランダ船リーフデ号に飾られた「海の守護神」エラスムスの木像。アダムスが尊敬した、科学的な思考の持ち主エラスムスは、「梅毒はあらゆる病気の中で最も恐れるべきものであり、これほどまでに全身に広がり、すべての医術を退け、患者を残酷までに苦しめる伝染病は他にない」と警告した。家康はアダムスから梅毒の恐ろしさを十分に聞いていたのだろう。1616年4月、74歳で亡くなるまで、水泳などで心身を鍛え、大好きなお茶を飲んで免疫力を高めることを第一に考えた。

 さて、新型コロナウイルスである。世界中にまん延、死者数が10万人を突破(10日現在)、安倍首相は東京都など7都府県に緊急事態宣言を行い、愛知、岐阜、三重知事らも独自の「宣言」をした。コロナ関連であれば、どんな話題でもメディアが大きく取り上げる。メディア報道は毎日の感染者数速報を大々的に伝え、逆に不安を煽っていると批判する声も多い。

 静岡人はメディア報道に踊らされることなく、家康流に冷静に「コロナ」を見てみることにしよう。 

死者数を比較すれば各国の状況が分かる

 海外報道は日本ではPCR検査を意図的に行っていないので感染者数が極端に少ないと伝え、メディアはそれに乗って安倍首相批判の恰好な材料にする。どう考えても、「感染者数」と「死者数」は全く違う。「生きている人を守っているのかどうか」はどちらなのか?最も良い指標は国民の生命を守ることを比べる「各国の人口100万人当たり死者数」。リアルタイムに世界中の人口、コロナ患者数などさまざまな統計数字を出す「worldometers」(4月12日午前10時の統計)を使って、静岡経済新聞が独自に調べた。

 人口100万人当たりで最も死者の多いのは、スペイン(人口4670万人、死者1万6606人:以下同じ順序)355・58人、次いでイタリア(6千万人、1万9468人)324・46人。

 感染者、死者数が世界で一番多い国となった米国(3億3千万人、2万555人)62・28人、カナダ(3770万人、653人)17・32人。死者の7割を占めるヨーロッパで死者数が少なく、メルケル首相の評価が高いドイツ(8370万人、2871人)34・30人、フランス(6520万人、1万3832人)230・53人、英国(6780万人、9875人)145・64人、スイス(860万人、1036人)120・46人、スウエーデン(1010万人、887人)87・82人など。

 最初に新型コロナを発症、武漢封鎖を行った中国(14億3800万人、3336人)2・3人、韓国(5120万人、208人)4・12人などであり、最も死者数が少ないのはSARSを経験した台湾(2380万人、6人)0・25人、香港(750万人、4人)0・5人、シンガポール(580万人、7人)も1・2人と非常に低い数字が続く。

 さて、緊急事態宣言や経済対策など安倍首相へ風当りの強い日本(1億2650万人、144人:ダイヤモンドプリンセス号の死者数含む)は、何と1・13人だった。何かと批判も多いが、この数字はいま流行りの「すごいぞ ニッポン!」と賞賛してもいいのではないか。

 「臨時休業」や「自粛」などでメディアが大騒ぎの日本。毎日、新型コロナの感染者は増えているが、現在のところ、死者数は世界各国と比べて圧倒的に少ないのがまぎれもない事実である。

経済格差が莫大な死者数を生んだ?

 ニューヨーク(817万人、8627人)ではアメリカの中でも飛び抜けて多く、100万人当たりの死者数は何と1055・93人。ほぼ同じ人口規模の都市、東京(833万人、40人)4・80人と比べれば分かるように、あまりに異常な数字である。なぜ、ニューヨークの死者が莫大なのだろうか?

 2018年4月8日から21日まで、ニューヨークの隣町にホームステイして約50分のバス旅行で大学へ通った。ホームステイ先はコロンビアからの60代移民男性宅であり、熱烈な共和党のトランプ支持者だった。周辺は移民たちの貧しい地区で道路にはゴミが散乱していた。

 毎朝通う中型バスの中で、一番驚いたのは、肥満体の若い男女たちがひしめき合うラッシュの様子だった。夕方の帰りのバスに目立つのは貧しい白人の高齢者たちだった。日本のバスの中では、めったに見ることのできない大きなお尻が座席を占領していた。バス停は1キロごとくらいにあり、次のバス停で停車希望者は必ず大きな声で「Next Stop」と運転手に指示しなければならなかったが、この地域のバス料金は非常に安かった。

 いまと同じ季節のニューヨークは非常に寒く、数多くのホームレスや乞食が目立った。新型コロナによって亡くなっているのは、そのような貧しい人々なのだろう。日本とは全く事情が違うのだ。新型コロナで亡くなる人が日本で少なく、ニューヨークで多い理由について、英国の研究者が明らかにしている。

 リチャード・ウィルキンソン、ケイト・ビケット著「平等社会」(酒井泰介訳、東洋経済新報社、2010年4月)。経済格差が健康状態に及ぼす影響を分析した。格差の少ない平等社会ほど、不健康や社会問題の発生頻度が低く、格差が広がるほど健康、社会問題に影響しているのだという。日本は世界の中で最も格差が少なく、健康、社会問題が少ない位置にあり、逆にアメリカは最も格差が大きく、貧しい人たちの健康、社会問題は最悪だと指摘する。

いずれのグラフも「平等社会」から引用

 また格差の大きいほど成人の肥満率が高いことも明らかにして、日本人はアメリカ人の肥満率の12分の1以下であるという。毎日ペプシの3㍑ボトルを飲み干す若い黒人女性やヒスパニックの男性が3食ともファーストフード店で済ます例が挙げられていた。肥満は高血圧、糖尿病、心臓疾患、胆のう病のリスクが増すのだから、ニューヨークの新型コロナ患者たちが持病を持つことを容易に想像できる。

 4月7日雑誌フォーブスは恒例の「世界長者番付」を発表、3年連続トップはアマゾン創業者ジェフ・ベゾス1130憶ドル(約12兆3千万円)、2位ビル・ゲイツ980憶ドルなどでアメリカの格差はますます広がった。1千万ドル以上の金融資産を有するビリオネア2095人のうち、日本からはユニクロの柳井正(197億ドル)ら26人が入っていた。SARS後に中国のアリババが極端に伸びたように、「新型コロナ」の影響で、ネットフリックスやズームなどシリコンバレーや中国企業が売り上げを伸ばし続けているから、新たなビリオネアが誕生するだろう。

 金融資産100万ドル(約1億1千万円)世帯はアメリカでは10%、日本では5%程度だから、格差社会は日本もアメリカに近づきつつある。

 残り95%のおカネを持たない平均的な日本人がなぜ、健康で「新型コロナ」の猛威に持ちこたえているのだろうか?

「強い免疫力」は弱毒性ウイルスを恐れない!

 3月12日の記者会見で川勝平太知事は、静岡県民はお茶を飲んでいるから免疫力が高く、新型コロナに感染しても打ち勝つことができると述べていた。そうだ、お茶の力が大きいのだ。

 新型コロナウイルスは弱毒性で自覚症状がないからまん延するのであり、一度抗体ができれば重症化リスクは低いとされる。ウイルスに感染しても異物を発見して駆除する抗体をつくり、ウイルスを排除していく。ウイルスとの闘いに勝つためには免疫機能がちゃんと働くことが重要。ふだんから家康のように水泳、武道に励み、お茶を飲み、十分な栄養を摂ることに心掛ければいい。新型コロナは鳥インフルエンザのような強毒性ウイルスではないから、免疫力の高い日本人の死亡者が少ないのだろう。

 いまはマスク、手洗い、消毒が必要だが、実際は、ふだんの十分な睡眠、運動、栄養、ストレスのない生活こそが重要、それで免疫力は高まる。アメリカに行ったとき、ホテルのスタバで緑茶を注文したら、たっぷり砂糖の入った甘い緑茶が出された。アメリカ人の味覚は砂糖を好み、肥満につながることに目をつむる。過度の砂糖は免疫力を失わさせる。幸福なことに日本人は砂糖なしのお茶を飲む習慣を持っている。

八十八夜イベントの人気者お茶がえるクン

 タイトル写真にあるように新茶を祝う八十八夜イベントで川勝知事と踊った「お茶がえるクン」はいま、「新型コロナに負けないゾ音頭」をつくっている。「ちゃ、ちゃ、ちゃ、お茶のパワーでコロナに勝つぞ♪…」。川勝知事と一緒に踊る日を待ちわびる。さあ、静岡県発で元気が出るお茶パワーを発揮しよう。

 古代ギリシアの悲劇詩人エウリピデスは「私が富に関心を持つのは、病んだ人に健康を取り戻させるため。富は日々の小さな喜びを与えるにすぎない。ひもじさが満たされれば、富者も貧者も同じである」と述べた。

 「コロナ後の格差社会」は日本に必ず到来する。だから、静岡人はお茶をがぶがぶ飲んで、踊ったり、歌ったりして楽しい生活を送れば、健康でいられる。「格差社会」到来の大波の中で、安倍首相でも小池知事でもなく、また、リニア問題で考えを異にする大村愛知県知事、鈴木三重県知事でもなく、静岡県をお茶パワーで引っ張る川勝知事が手腕の見せ所だ。

※タイトル写真は、八十八夜イベントでお茶がえるクンと踊る川勝知事たち。ことしも八十八夜はやってくるが、どうなることやら?

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