「本人訴訟」入門⑧異様な「準備書面」!

今度は「補助参加の申出」だ?

 第1回口頭弁論(7月21日)で、裁判官から8月末までに被告に求められていた管理組合総会決議の有効性などについて、被告訴訟代理人弁護士Tの「準備書面」が9月1日にようやく送られてきた。A4判用紙、20枚にわたる、あまりにも長い文書であり、本当に驚かされた。最初の「本件訴えは早急に却下されるべきである」に続く本文は、だらだらと読点ばかりが続き、2ページ目になって、「原告の本件訴訟提起は訴訟要件を欠くので、速やかに却下されるべきであると改めて主張する」でようやく句点となった。こんな文章を読むのはひと苦労であり、その内容を理解するとなると、”疲労困憊”は間違いないだろう。

 冒頭の被告Kの氏名の下に、「補助参加人」一般財団法人廣田育英会とあり、これまで被告訴訟代理人とあったT弁護士には「補助参加人訴訟代理人」の肩書が加わっていた。何だ、これ?「補助参加人」を調べてみると、民事訴訟法42条(訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる)で規定されていた。またまた新たな民事訴訟法条文の登場である。

 他人間に係属中の訴訟の結果について、利害関係を有する第三者が当事者の一方を勝訴させることにより自己の利益を守るために、訴訟に参加する形態を補助参加というらしい。例えば、ある会社の取締役会の意思決定が違法であるとして、株主代表訴訟が起こされた際、その株式会社は訴訟に補助参加ができるのだという。要は、取締役会と会社といった相互に密接な関係があれば、補助参加できるわけだ。

 翌日(2日)静岡地裁に行くと、廣田育英会S理事長名で提出された「補助参加の申出書」(タイトル写真)を書記官から渡された。こちらもA4判用紙、14枚に及ぶ長い文書だった。

 と言うのも、「補足的事情」として、わたしが廣田育英会の事務局Hに対して執拗な嫌がらせを続け、横暴な状況がわかる会話を隠し録音した記録の文字起こしがつけてあり、別紙11枚に及ぶ原告(わたし)の”非道ぶり”が綿々とつづられている。(※実際は、執拗な嫌がらせや横暴な状況は全くないが、Hはそう主張している。この「補足的事情」は、今回の訴訟とは全く無関係である。裁判官は真実がどこにあるのかわからない、こんなどうでもいい文書まで読んでいるのか?)

 「補助参加の申出書」には、廣田育英会が補助参加したい経緯がつらつらと記され、最後のところで「判決が、将来、申出人に対し影響を及ぼすおそれがある」と理由らしきものがあり、「申出人は、訴訟の結果につき利害関係を有する」と書いてあった。「利害関係を有する第三者が当事者の一方を勝訴させることにより自己の利益を守る」となっていた筈だが、この説明では廣田育英会の「利益」が何かが、全くわからない。

 廣田育英会は被告Kに、当該のマンション3階を「滞納金は法的に存在しないから」と申し伝え、1300万円で売却、利益を得ている。もし、管理組合に負けた場合、廣田育英会がKになりかわって滞納金68万円の全額あるいは一部を支払うのであれば、利害関係人と認めることができる。しかし、そのようなことはひと言も書かれていない。具体性は一切、ないのに、廣田育英会を補助参加人と認めるわけにはいかない。

 申出書を読む限りでは、この補助参加は、わたしへの誹謗中傷を行うためのものであり、敗訴の場合、Kへの債務支払いを廣田育英会が担保するものではない。

 さて、一体、どうすべきか?

補助参加への異議申立書を提出へ

 民事訴訟法44条(当事者が補助参加について異議を述べたときは、裁判所は、補助参加の許否について、決定で、裁判する。この場合においては、補助参加人は、参加理由を疎明しなければならない)を使えばいいようだ。早急に「異議申立書」を静岡地裁に提出しなければならない。

 と言うのも、民事訴訟法44条2項(前項の異議は、当事者がこれを述べないで弁論をし、又は弁論準備手続において申述した後は、述べることができない)とあるから、9日の弁論準備手続期日が「異議申立書」提出の期限となる。さあ、6日までに異議申立書を作成して、提出しよう。(※こちらの異議申立書の件については、後日、報告する)

 異議申立書提出と言えば、今回の件で2度目となる。前回の『「本人訴訟」入門⑦「調書」に異議申立』では、T弁護士から提出された異議申立書について、こちらの「準備書面」で”粉砕”できたのかどうかを書いた。その折、第1回口頭弁論調書をじっくりと読んでいて、原告の陳述に関わる「誤記」を発見した。すぐに裁判所に連絡を入れたところ、明らかな「誤記」についても裁判所が訂正を判断するのでははなく、原告が異議申立書を提出しなければならない、と教えてくれた。「調書」への異議申立は、民事訴訟法160条2項(調書の記載について当事者その他の関係人が異議を述べたときは、調書にその旨を記載しなければならない)にある。裁判所が間違えたのだから、裁判所の責任で訂正すればいいようなものであるが、しち面倒な手続きが必要である。

 それで、8月26日、原告の「調書の異議申立書」を提出した。『令和3年7月21日第1回口頭弁論期日において原告がした「同年4月1日以降3階居住者」との主張は、「同年4月1日以降3階所有者に」の誤記であり、訂正するよう申し立てる』。当時の「3階居住者」は、キャバクラ店長らであり、管理組合は「3階所有者」の廣田育英会に非居住者の住民活動協力金を求めた。

 「所有者」を「居住者」としたのは書記官の勘違いであり、単なる誤記だろう。もし、被告代理人のT弁護士が、調書の「誤記」に気づいて、何らかの主張をしてきた場合、思わぬ問題を出来(しゅったい)するのではないか、と心配した。どうでもいい細かな原告の訴状や準備書面の”誤記”を鬼の首を取ったように指摘するのが、T弁護士である。「居住者」と「所有者」の違いは明らかである。とりあえず、先手を打つつもりで、「異議申立書」を提出した。

 9月1日に受け取った「準備書面」では、T弁護士は「誤記」に気づいていなかったようだ。ひと安心だ。

 9月2日に書記官に聞くと、裁判所は「誤記」の訂正をすることなく、民事訴訟法160条2項に基づいて、T弁護士の異議申立書同様に、調書に原告の異議申立があったことのみを記したという。

 どうも一般社会の常識とは違うようだ。今後も、T弁護士が調書の「誤記」を問題にすることをあまり心配していないようだ。不思議な世界である。

内容のない被告代理人弁護士の回答

 被告代理人T弁護士の「準備書面」の最初の10ページは、わたしの理事長としての当事者適格を問題にして、バカだチョンだといった誹謗中傷のオンパレードである。

 こちらにとって一番重要なことは、裁判官が被告に対して、「令和3年8月31日までに、上記総会決議(2019年3月の管理組合総会で3階所有者に対して非居住者の住民協力金を支払いの管理規約改訂の決議)の有効性、同総会決議が有効である場合の支払い義務の有無について準備書面を提出する」よう求められていたことだ。被告訴訟代理人による回答は(1)から(5)で、以下の通りである。(※この「準備書面」の文章は非常にわかりにくいため、こちらで簡潔に要約してある)

(1)被告は、2019年3月時点で管理組合員ではないから、総会決議の効力は本来及ばない。原告が被告に請求する法的根拠が訴状の「請求の原因」には欠落している。(※訴状の「請求の原因」には、『区分所有法第8条は、マンション管理費等の滞納があった場合、管理組合は新しい区分所有者に債権を行使できるとしている。従って、新区分所有者の被告は旧区分所有者の滞納金を支払わなければならない』と書いてあるから、請求の法的根拠は示している)

(2)総会決議をしたことは否認乃至争う。(※これは回答ではない)

(3)そもそも非居住者協力金なる債務自体が存在しない、合計68万円の債務も存在しない。(※これも回答ではない)

(4)原告が管理規約に基づき、被告に未払の非居住者協力金の支払いを求めるとの点は争う。(※これは、(2)と同じことを繰り返しただけで回答ではない)。そもそも原告に非居住者なるものの支払いを求める権利は全くない。(※これも、(1)の繰り返しであり、管理組合に請求権があるから、原告は訴訟を起こしている。なぜ、請求権がないのかを回答していない)

(5)平成22年1月26日最高裁判例と本件訴訟で原告が主張するものは似て非なる内容のものであることは間違いない。(※これも回答ではない) 

 要は、廣田育英会が「滞納金は法的に存在しない」と言って、被告Kに3階を購入させた法的根拠を示すことができなかったのだ。

大笑いの「準備書面」とは?

 「第3 被告の主張」とあり、「5 仮定的主張」には、驚いた。『百歩、否、万歩譲って、万が一総会が有効に成立し且つ当該総会で本件のような「非居住者協力金」なるものに関する規約の変更につき決議が有効になされたものと仮定した場合を想定した』としている。(1)から(3)を回答している。(※この文章を書いたのはHのようだ)

(1)区分所有法第31条1項後段「規約の変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべき時はその承諾を得なければならない」ので、規約の改訂は無効である。(※まさに、この点を注意して規約改定を行った。総会でも31条を説明した上で、「すべての規約改正等について区分所有者の承諾を求める必要性はない、規約改正、使用規則の必要性が高く、内容が合理的でそれによって影響を受ける当該区分所有者の承諾なく行われた規約改正等も有効」(法務省民事局)として決議を行った。「3階区分所有の責任者である」Hも出席していて、その旨を聞いており、当時は何らの反論もしなかった。これは理由にならないはずだ)

(2)総会招集通知に「非居住者協力金」が議題になっていないので無効である。(※通知には、不特定多数の出入りする3階キャバクラ寮を議題とするとあり、Hがキャバクラ寮の契約解除に応じない姿勢であることを確認した上で、7階組合員が管理費等の値上げを提案した。当然、3階キャバクラ寮の契約解除に向けた手段であるから、有効な議題である)

(3)「非居住者協力金」の内容について原告の主張がなく、不当である。(※「滞納金が法的に存在しない」との廣田育英会の主張は、総会決議の有効性を論じることであり、「非居住者協力金」を原告が説明することではない)

 以上、今回の準備書面には目新しいことはなく、単にわたしへの誹謗中傷をすることで、わたしが”悪い奴”であるかの裁判官の心証をつくろうとしているようだ。社会常識では、そんなことをすれば、逆効果になるのが、なぜ、分からないのか、不思議でならない。

 今回の「準備書面」で笑ってしまったのは、わたしを理事長として認めていないなど書いた上で、『T(当然、実名)氏は弁護士であり且つ会社法に精通している弁護士である。法人の運営を知悉している同人が、総会の決議を経ずして理事長となるなどということを容認するようなことがあろう筈がないのである。論外である』。自分で自分の名前に氏の敬称をつけ、さらに会社法の専門家などと威張っている。おれ様は弁護士様でエライんだから、素人の主張は間違っている、と言っているようなものだ。

 1995年3月の総会でわたしが理事長に選ばれた決議の議事録は残っていないからと言って、当時の3階居住者もわたしを理事長に選任する決議に賛成している。3階を管理しているのはT弁護士だから、当然、報告を受けたはずだし、もし、報告を受けていないとしても、疑問があるならば、すぐにわたしに問い合わせるべきだろう。1995年から2020年まで、いつでも異議を唱えることはできたが、一度もなかった。

 さあ、明日(6日)、廣田育英会の補助参加への異議申立書を提出しよう。

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